「関西生コンを支援する会」結成総会開催!
著名人など呼びかけ
「関西生コンを支援する会」結成総会開催!
昨年8月から始まった大阪府警や滋賀県警による権力弾圧。これまで58名もの役員・組合員が不当に逮捕され、今も9名の仲間が勾留されている。かつてない規模の大弾圧が関生支部にかけられている。これに対し、関生支部を支援しようとジャーナリストや弁護士など有識者、市民団体・労働組合が呼びかけ「関西生コンを支援する会」を立ち上げることとなり、結成総会が4月15日に参議院議員会館で開催された。
●関生支部を支援し、弾圧はね返すため●
会場には100名以上が集まり、全国ユニオン会長の鈴木剛氏の司会で進行。平和フォーラム事務局長の勝島一博氏が弾圧の経過を報告したうえで、「一連の弾圧事件は、2017年に関生支部が行ったストライキを契機に始まった。労働組合として正当で当然の権利であるストライキに対する、警察・検察・裁判所が一体となった弾圧であり、これは労働運動全体にかけられた攻撃だ。私たちは関生支部の闘いを支援し、この闘いに勝利していくために『支援する会』を結成する。
会の目的と活動については、一つ目が、関生支部役員・組合員らに対する不当な長期勾留と接見禁止の即時中止および保釈を求めること。
二つ目が、組合つぶしを目的とした、憲法28条・労働組合法1条2項に違反する不当捜査の即時中止を求めること。
三つ目が、公正かつ迅速な裁判による無罪判決を追求すること」と提案があった。さらに、具体的な活動として①緊急署名活動や関係機関への要請活動、②集会開催、ニュース発行などの広報・宣伝活動、③裁判闘争支援のためのカンパ活動、④その他関連する取り組みが提起された。
続いて、「支援する会」の共同代表である宮里邦雄弁護士は「1800年代、イギリスには団結禁止法という法律があり、これによって同国の労働者たちは刑事弾圧の嵐と闘うことになった。この時代には、組合員が工場長に賃金引き上げを要求すると強要罪・恐喝罪とされ、ストライキをすれば威力業務妨害罪とされた。そうした苦しい時代のなかで多くの労働者がまさに命がけで闘った結果、各地で労働者の団結権が認められるようになった。
日本では、憲法28条に定められる労働基本権があり、労働組合法における刑事・民事免責があり、団結権を保障するために不当労働行為が法律で禁止されている。
今、関西で起こっていることは『団結禁止法の再来』と言っても過言ではない。それほど異常な弾圧だ」と指摘した。
4・11弾圧に対する抗議声明
4月11日、滋賀県警組織犯罪対策課が、関西地区生コン支部の武建一委員長と湯川裕司副委員長の2人を「恐喝」容疑で逮捕するという、あらたな権力弾圧事件がおきた。
被疑事実は現時点では明らかではない。だが、ふたりが逮捕されたのは昨日の昼前後なのに、なぜか産経新聞はいち早く同日の朝刊で「関生支部トップ 再逮捕へ」と大きく報じていた。この間の一連の弾圧事件報道がそうであったように警察が同紙にだけ事前リークしたのだろう。
それによると「工事現場での嫌がらせ行為をやめる見返りとして、滋賀県内の生コンクリートの販売会社から(2015年5月に)現金1千万円を脅し取った」とされていて、それが警察が描く事件のストーリーのようである。
しかし、それが被疑事実だというのなら、まったくおかしな話である。当時、関生支部は運動のあらたな砦として会館建設を計画し、その資金カンパをよびかけていた。そして、組合員はもとより、共闘・協力関係にある多くの労働組合や中小企業、市民運動団体などがカンパに応じてくれた。そうやって2015年12月に竣工したのが現在の「学働館」であり、多くの労働組合や市民運動のさまざまな会合や文化行事などに活用され、地域の拠点としての役割を立派にはたしている。
被害者とされる生コン販売会社も、そうした資金カンパに応じた中小企業の1社なのだが、しかし、同社のカンパは、関生支部がよびかけ、それに対して同社が応じたものではなく、同社のほうから提供の申し出があったものなのである。どうしてそれが「脅し取った」とか、「嫌がらせ行為をやめる見返り」などという話にすり変えられ、逮捕されねばならないのであろうか。
滋賀県警や大阪府警は昨年8月以降、ストライキを「威力業務妨害」、建設現場の法令違反を告発するコンプライアンス(法令遵守)活動などの産業政策運動を「恐喝未遂」、さらにはビラまきまで「威力業務妨害」だとして、競い合って不当逮捕をくりかえしてきた。ほんらいは罪に問うことなどできるはずもない正当な組合活動なのに、それらを、刑事免責を核心とする労働基本権を定めた憲法28条や労働組合法1条2項を無視することによって、つぎつぎと「事件」に仕立て上げてきたのである。今回の不当逮捕もそれらと同じ手法による暴挙、しかも事実関係を歪曲したえん罪というほかない。
また、この逮捕劇はふたりとも保釈寸前というタイミングで実行された。ふたりの不当な勾留期間はすでに8か月にも及んでいるが、大津地裁における裁判が回を重ね、勾留継続の理由がなくなった警察・検察が、ともかくふたりを監禁しつづけるために強行したものといわざるをえない。
さらに、急速な広がりをみせだした不当弾圧許すなの運動に冷や水を浴びせるねらいもあるだろう。いま権力弾圧の標的とされているのは全日建関生支部である。しかし、この弾圧は関西という地域の個別の労働組合に対する攻撃というにとどまらず、警察・検察・裁判所が一体となった労働者・労働組合の労働基本権へのあらかさまな挑戦であり、「共謀罪のリハーサル」ともいうべき危険な側面をもっている。そんな認識と怒りの声が、この間、全国各地の労働組合、市民運動、議員、政党などに急速に広がりつつある。そして、週明けの4月15日(月)には、著名人のよびかけで、いよいよ全国規模の支援組織が結成される。こうした運動の拡大を阻止するために、ともかく関生支部の信用を貶めたいというのが滋賀県警の目的にちがいない。
現在、昨年8月からつづくのべ56人もの大量逮捕と42人もの起訴によって、大別すると、①湖東協組事件(大津地裁)、②大津協組事件(大津地裁)、③宇部三菱大阪港SS・中央大阪生コン事件(大阪地裁)の3つの刑事事件が進行中である。
①と②は関生支部の産業政策活動(これにともなうビラまき)を恐喝未遂や威力業務妨害とした事件、③は賃上げ原資の運賃引き上げの約束を守れと要求したストライキを威力業務妨害とした事件である。
わかりにくいのは、滋賀県警・大津地検・大津地裁がひとつの事件を細切れにして逮捕~起訴~新たな逮捕~起訴と異様な弾圧を重ねており、大阪府警・大阪地検・大阪地裁も3回にわけて逮捕~起訴をくりかえしてきたことから、非常に複雑な訴訟係属になっているため、同じ証人が何度も何度もくり返し尋問されるということになっているという点である。
その結果、来月5月~7月はじめにかけて、大津地裁で13回、大阪地裁で6回、わずか2か月間でじつに19回もの刑事裁判の公判日程が組まれている。(中略)
このほかにも弾圧の発端となった大阪広域生コン協組による大量の不当労働行為(関生支部の組合員には仕事をさせない)に対する不当労働行為救済申立事件などが20件以上もある。こうした日程をみれば、この権力弾圧がどれだけ過酷な攻撃であるか、組合と組合員、そして担当弁護団がどれほど打撃を受けているかが一目瞭然でわかるであろう。もはや権力と資本が一体となった集団リンチの様相を呈しているといっても過言ではない。
しかし、われわれが膝を折ることは決してない。われわれは、各地の力強い支援の動きに励まされつつ、一刻も早く仲間を取り戻すために組織の総力をあげる決意をあらためて表明するものである。
以上
【 くさり5月号より 】